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ロシア外務省・ザハロワ報道官のWADAによる発表に関する見解(本人のFacebook個人ページより、2017年2月25日)

2017年2月25日、世界反ドーピング機関(WADA)は、リチャード・マクラーレン氏率いるWADA 独立調査委員会の最終報告書には、ロシア人選手のアンチ・ドーピング規則違反を立証しうる証拠が十分ではないと認めたことが明らかになった。国際オリンピック委員会(IOC)のクリストフ・ド・ケッペル事務局長が「WADAは、2月21日のローザンヌでの国際スポーツ連盟会議で『ロシア人選手を処分するには証拠不十分である』と声明した」と記した公開書簡がIOCの公式サイト上に掲載されたのである。

2016年8月25日、今からちょうど半年前、ロシア外務省のブリーフィングの際に、ロシアのパラリンピック選手に対するスポーツ仲裁裁判所(CAS)の決定についての声明を出した。皆様には、ぜひ、もう一度、声明文を最後まで読んでいただきたい。以下のように記されている。「非常に残念ながら、オリンピックだけではなく、パラリンピックのロシアナショナルチームについて声を上げずにいることはできない。スポーツ仲裁裁判所の決定は実に忌まわしく非人道的なものである。CASの決定そのもの、そして公的な立場にある人々の決定についてのコメントが、客観性が完全に欠如したバイアスのかかったものであり、さらに他に類を見ないほど偽善にまみれていることに驚きを禁じ得ない。これは実質的にロシアのパラリンピック選手から、彼らがその人生の全てを捧げて追い求めてきたかけがえのない夢を奪い去ろうとする策略である。

スポーツ仲裁裁判の決定は、オリンピック・パラリンピック運動の価値観に根差した大原則を完全に否定するものである。なんの罪もない選手や関係者に処罰が加えられても良いのであろうか?選手は、障害者でもある。このおぞましい行為は、人道主義や法の支配という基本的原理から大きく外れている。

端的に言えば、この件は犯罪であると立証することが不可能なことに対して選手各人に連帯責任を負わせるということである。法の支配という大原則を遵守する文明国と自負する世界のありとあらゆる国にとって、本来、立証不可能なことに対して連帯責任を課すというのはナンセンス以外の何物でもないはずである。しかし、私たちは、このような行為が実際に行われたことによって、多くの国々が無実の人に対しても処罰を与えることに何の異議も感じていないことを目のあたりにしたのである。

周知の通り、国際パラリンピック委員会執行委員会(IPC)によって証拠不十分のマクラーレンの最終報告書に基づいて、ロシア・パラリンピック委員会(RPC)の資格停止処分の決定がなされ、世界のスポーツ界に様々な波紋を呼び起こした。そんな中、国際車いすフェンシング協会や、国際身体障害者アーチェリー連盟、国際馬術連盟、ヨーロッパ・パラテコンドー連盟は、ロシア選手のリオ・パラリンピックへの参加を支持する声明を出した。

国連の「障害者の権利に関する条約」には根幹となる大原則として、障害者と非障害者の権利の平等がうたわれている。非障害者であるロシアのオリンピック選手は、ローザンヌのスポーツ仲裁裁判所の決定によりリオ・オリンピックへの参加が認められたが、パラリンピック選手は全面排除されたのである。これほどまでに国連の障害者の権利に関する条約を踏みにじる蛮行はあるだろうか。

ロシアは、パラリンピック運動の高邁な精神と、障害者でありドーピングには一切関与していない選手の権利と尊厳をこれほどまでに蹂躙する非人間的な行為に深い懸念を抱いている。IPCによる決定は、人種や皮膚の色といった、いかなる特徴によっても人を差別してはならないという原則に矛盾するものである。

今後、パラリンピックのロシアナショナルチームに対するスポーツ仲裁裁判所の決定を、法学の観点からの評価する作業が進められていくだろう。私たちは、近い将来にこの決定についての真実を知ることできると確信している。同時に、このような決定を押し通すために暗躍した黒幕が誰であるのかも明らかになるはずである。その結果、後世になってこの決定は過ちであったと後付けで弁解されるのであろう。しかし、今、私たちが直面しているこの大いなる過ちの代償が計り知れないものであることは私たちの目には明らかである。これから、すべてが詳細に調査されていく。すでに今日の時点で、私たちは道徳的な観点からみて、これは明らかに不当で非人間的な決定であると断言することができる。 国際委員会のメンバーがこの決定は根拠にかけると認めるまで半年を要している。世界のスポーツ界が被った損失は、これから徐々に評価されていく。