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露日関係の発展

露日関係の発展について

日本は、1992年1月27日、ロシア連邦をソ連の継承国として承認した。以来、露日関係は、内容を刷新させながら、全体的に発展の途を一貫して歩んできた。今日の両国関係を特徴づけるならば、双方ともに民主主義的価値に忠実であること、イデオロギー的・軍事的対立がないこと、国際舞台における協調にお互い関心を持っていることなどが挙げられる。一方、双方ともに認めているところであるが、貿易経済関係をはじめとする露日の協力のポテンシャルはまだ十分に開花していない。

二国間には平和条約が調印されていないが、東京側の南クリル諸島に対する不当な領土要求がその背景にある。しかしながら、1956年に調印されたソ日共同宣言によって、戦争状態に終止符が打たれ、それを礎として国交が回復された。また、2012年6月18日、メキシコのロスカボスにおいて実施された露日首脳会談では、平和条約の問題に関して、静かな環境の下で、お互いを尊重し合いながら、相互が受け入れられる解決策を見出すべく対話を継続すること、さらに、エネルギー部門を含めた貿易経済の協力関係の深化、およびアジア太平洋地域や国際関係全般における協力の拡大に力点を置きながら、両国関係を総合的に発展させるべく尽力していくことが確認された。

2003年、首脳会談を受けて「露日行動計画」が採択された。これは、二国関係を促進するための今後の取り組みの主な方向性が示された広範な政治文書である。とりわけ本文書には、政治対話の発展や平和条約の交渉の継続、国際舞台における協調、貿易経済分野における協力、防衛・治安分野における関係の発展、文化・国民間交流の進展などが謳われている。本文書は、今日にいたるまで、現代の二国間関係の「ロードマップ」となっている。 露日関係で最も重要な意味を持っているのが、政治対話、特に首脳レベルの対話である。2011-2012年には、4回の会談が実現。2011年5月27日、G8ドーヴィル・サミットの際に実施された管首相との首脳会談、および2011年11月12日のホノルルAPECエコノミー首脳会談、2012年6月18日のG8ロスカボス・サミットと2012年9月8日のAPECウラジオストック・サミットの際の野田首相との会談である。

近年、政府レベルの二国間対話が活性化されている。2009年5月、V.V.プーチン・ロシア連邦首相の実務訪日が実施された。会議の席上、原子力を含むエネルギー部門、運輸、通信技術、宇宙開発等の分野の今後の協力関係の発展に関して議論された。その結果、原子力や税関、刑事分野における実効的な共助に関する合意書など6件の政府間合意書、および実務分野での協力に関する一連の文書が調印された。2011年10月14日、V.V.プーチンと日本の野田首相との電話会談が行われ、V.V.プーチン首相は、一連の経済プロジェクトを共同実施する意向を改めて表明した。

2012年3月5日に日本側のイニシアチブにより実施された電話会談で、日本の首相はV.V.プーチンに対し、ロシア連邦大統領選出を祝い、2012年5月11日には大統領就任を祝った。
ロシア連邦大統領府元長官(現・国家院議長)S.E.ナルィシキンは、日本で毎年開催されているロシア文化フェスティバルの開会式や閉会式に毎回出席してきた。
議会間交流も推進されている。2009年1月、ロシア連邦議会連邦院議長が東京を訪問。2009年10月12~14日には、日本の参議院議長がロシア連邦を訪問し、ロシア連邦議会連邦院議長やS.V.ラブロフ外務大臣、B.V.グルィズロフ国家院議長らと会見。2011年10月26日、モスクワにおいて、V.I.マトヴィエンコ連邦院議長と日本の衆議院議員の鳩山日ロ協会会長との会見が行われた。
2012年1月、V.I.マトヴィエンコは、東京で開催されたアジア太平洋議員フォーラムに参加し、野田首相をはじめとする日本の政府高官らと会談。
2012年6月10~11日、S.E.ナルィシキン国家院議長が日本を訪問し、大阪で開催された定例の「ロシア文化フェスティバル2012 in Japan」のオープニングに参加。日本の衆参両院議長と会談。野田首相や玄葉外務大臣と会見。さらに、日本の経済界の有識者らとも懇談。

政党間の交流も確立されている。「統一ロシア」は、日本の最大政党である与党・自民党や野党・民主党と、「公正ロシア」は、中道派の「公明党」と交流を進めている。
両国の外務大臣の交流も定期的に実施されている。2008年11月4~5日、S.V.ラヴロフ外相が来日。2009年12月には日本の岡田外相がロシアを訪問。2010年3月29日、ガティノー(カナダ)におけるG8外相会合の際、二国間外相会談(ラヴロフ・岡田)が実施され、2010年6月9日には両外相の電話会談が行われた。2010年11月13日、横浜APECの際に、S.V.ラヴロフと前原外相の会談が実施された。2011年2月11~12日、前原外相はモスクワを訪問し、S.V.ラヴロフ外相と会談を行い、さらにナルィシキン大統領府長官と会見。2011年3月14日、パリG8外相会合の際、S.V.ラヴロフ・松本外相会談が実施された。2011年9月9日、S.V.ラヴロフと日本の玄葉・新外務大臣(2011年9月2日に任命)との電話会談が行われた。2011年9月21日、ニューヨークにおける国連総会、および2011年11月11日、ホノルルAPECの閣僚会談において両国の外相が会見。2012年1月28日、S.V.ラヴロフ外相が東京を実務訪問し、日本の外相と会談を行った。両外相は、引き続き、2012年4月11日、ワシントンG8外相会合で会見した。また、2012年7月28日、玄葉外相はソチを訪問し、 S.V.ラヴロフ外相とV.V.プーチン大統領と会談を行った。
2007年より、外務次官級露日戦略対話が開催されている。この枠組みでは、地球・地域安全保障をはじめとする主要な国際問題が話し合われている。2012年6月、東京において定例の第10回日露戦略対話が行われ、ロシア側からはA.I.デニソフ第一外務次官、日本側からは佐々江事務次官が出席。

近年、国際舞台における露日協調が活発に伸びている(朝鮮半島情勢の調整、テロ対策、戦略的安定の問題、国連での協力、アフガニスタンに関する二国間協議など)。
これまで閉ざされていた分野も含め、その他の実務的な分野における協力関係も推進されており、露日の国境警備や治安当局の交流が推進されている。

地域間交流も進んでいる。また、ロシアの現代発展研究所と日本の国際交流基金の主催で、露日フォーラム(ロシア側団長はイルクーツク州のD.F.メゼンツェフ知事)が定例開催されている。
1986年7月2日、ソ連と日本の領土にある日本人・ロシア人墓地の相互訪問に関する(口上書の交換による)合意書の調印を受けて、日本国民による南クリルへのビザなし渡航が推進されており、1992年4月以降は、1991年10月14日の(ソ日外相間往復書簡による)合意に基づき、南クリル住民と日本国民のビザなし相互訪問が行われている。この渡航は、査証ではなく、定められた形式の渡航書類により、団体で実施されるものである。訪問日程には、通常、文化スポーツ行事や視察等が組まれている。これまで、約1万5千人の日本人と約7千人の南クリル住民が相互訪問した。