大使館

露日科学技術協力

科学技術分野におけるロ日の協力の法的基盤をなす重要な文書が、2000年9月4日、東京で締結された日露政府の科学技術協力協定である。

協定第6条に基づき、ロ日科学技術協力委員会が設置された。委員会の運営は、ロシア教育科学省と日本外務省が担うこととなった。

2010年、モスクワにおいて、ロ日科学技術協力委員会第10回会合が開催され、ロシア側からは、ロシア教育科学省のV.Kh.フリドリャノフ副大臣が代表団長を、日本側からは鹿取克章科学技術協力担当大使が代表団長を務めた。

その席上、「2010年から2012年のロ日科学技術協力計画」が承認され、13分野94件の共同プロジェクトが協力の対象となった。分野は、農林業、プラズマ物理・熱核融合、高エネルギー物理・加速器、放射線医学、環境保全、地球科学、生命科学、海洋学、通信技術、エネルギー研究、材料学、力学、バイオテクノロジーである。

ロシア側からは、ロシア科学アカデミーやロシア医学アカデミーやロシア農業学アカデミーなどの付属研究所やロシアの大学、応用科学分野の研究所が本計画の枠内の共同科学技術イノベーションプロジェクトの実施にあたっている。日本側からは、政府管轄の主要な研究所(海洋研究開発機構(JAMSTEC)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、産業技術総合研究所(AIST)、高エネルギー加速器研究機構(KEK)、理化学研究所(RIKEN)など)、および先進的なR&Dを推進する一流大学(東京大学、大阪大学、京都大学、東北大学、九州大学、北海道大学など)が参加している。

日本側にとって関心が高いのは、ロシアの学者が進める基礎研究。一方、ロシアでは、最新技術や有望なR&Dの成果の商業化に関する日本の経験が積極的に学ばれている。日本ではビジネスが科学技術の発展に大きな影響を与えていること(国内の科学研究への投資の約80%が民間資金)を鑑み、2001年、双方は、ロ日科学技術協力委員会にビジネス界の代表をオブザーバーとして参加してもらうことを決定。

基礎研究分野における協力のテーマを拡大するため、ロシア基礎研究基金(RFFI)から共同プロジェクトに融資されることとなった。2007年、RFFIと日本学術振興会は覚書を調印し、学術プロジェクトの共同入札を実施した。分野は、数学、力学、物理、天文学、化学、生物、医学、地球科学、人と社会、情報技術、計算システム。RFFIと日本学術振興会は、毎年、約30件のプロジェクトを共同融資している。

ロシアと日本の研究者は、大型国際プロジェクトの実施にも共同で取り組んでいる。具体的なプロジェクトとしては、国際熱核融合実験炉ITER(ロシア、日本、EU、中国、韓国、インド)、国際宇宙ステーションISS、大型ハドロン衝突加速器LHCなどが挙げられる。その他、多国間フォーマットの枠組みでの地域及びグローバルな科学技術協力に関して連携を図っている。その枠組みとは、G8やAPEC、東アジアサミット(EAS)、アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)、さらに、ユネスコや経済協力開発機構(OECD)などである。

2000年代初頭、日本が発起人となって国際的なSTSフォーラムが創設された。フォーラムの第一回(創立記念)総会(京都、2004年11月)には、ロシアからA.A.フルセンコ教育科学大臣を団長とする代表団が参加。2013年10月、京都で年次総会が開催された。一方、モスクワでは、2013年秋に、ロシアフォーラム「オープン・イノベーション」が開催予定となっており、日本の学術界の代表らが招聘を受けている。