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ロシアのV.V. プーチン大統領 APEC の首脳会議に参加

V.V. プーチンロシア大統領 は20日、オンライン形式で開催された APEC=アジア太平洋経済協力会議 の首脳会議に参加しました。

 

プーチン大統領:尊敬する議長、尊敬する同僚の皆さん、

初めに、2020年アジア太平洋経済協力フォーラム(APEC)議長国マレーシアの皆さんには、その素晴らしい取組みに他の参加国の皆さんと共に心から感謝申し上げたいと思います。議長、ありがとうございます。

 ご承知のように新型コロナウィルス感染拡大による困難な状況下、APECが積極的に協力活動を推進してきたことはきわめて重要です。本日のサミットで協議した議題の充実した内容からも、このことはうかがえるかと思います

 当然ながら最優先課題は、今しがた議長が言われたように、新型コロナウィルスとの戦いにおいて力を結集していくことです。ロシアには、パートナーそして友人の皆さんに、提案すべきことがあります。ロシアにはこの分野で培ってきた確かな学術、臨床上の経験があるのです。私たちはすでに『スプートニクⅤ』と『エピワクコロナ』の2つのワクチンを開発しており、さらに第3のワクチンが現在最終段階で治験中です。私たちは海外のパートナーとともに、ワクチンの供給と現地生産に向け、活発に取り組んでいるところです。

 強調したいのは、『スプートニクⅤ』、『エピワクコロナ』どちらのワクチンも、もっとも重要視される基準を満たしている点です。つまり、完全に安全で、有効なのです。残された課題はひとつだけ、大量生産を可能にすることです。ロシアではすでに、これに向けた取組みが始まっています。

アジア太平洋地域の国々の多くがパンデミックによりきわめて深刻な問題に直面しているのを、私たちは皆目の当たりにしています。WHOデータによる新型コロナウィルス感染者数は、アジア太平洋地域で2,600万人、全世界では5,600万人を数え、新型コロナウィルス感染およびその合併症により亡くなる人々の数は、増加の一途をたどっています。

経済、社会の領域でも深刻な傾向が見られます。IMF代表がすでに述べられたように、工業生産の減少と財政難により、数千万に及ぶ人々が貧困ラインを下回る危機にさらされているのです。

2020年、世界のGDPは4.4%、APEC諸国の総GDPは2.5%、それぞれ減少すると予想されています。ロシアもまた、約3.9%減少すると私たちは予想しています。国際貿易の指標も、過去6ヶ月間に15%以上減少しました。市場の有力プレーヤーの間の経済闘争は、エスカレートするばかりです。

しかしこうしたネガティブな傾向にあればこそ、現実の状況を客観的に評価し、国際社会が一致団結して現状打開に向け力を合わせて取り組んでいくことも可能になるのです。

ロシアには、APECパートナー各国をはじめとするすべての関係国と、できるだけ緊密に協力していく心構えができています。今年春、制限や制裁から自由な所謂『グリーンコリドー(緑の回廊)』を設けることをロシアは提案しました。まずは食料品と医薬品について、その必要性を特に認める国々を対象に実施することとしています。この提案が実現されたあかつきには、世界における人道的状況の改善のみならず、今回スピーカーの皆さんが言及された世界貿易の発展にも寄与するものと考えています。

本日たびたび言及されたことですが、デジタル分野においても、アジア太平洋地域諸国の協力はますます喫緊の課題となっていくことでしょう。私が意味しているのは、国家行政や都市経済システムの継続的活動や教育・社会・医療の遠隔サービスの提供、中小企業によるこうしたサービスや市場、資本へのアクセス確保に向けて、情報通信技術を導入していくことです。

同様に、IT上での個人情報の保護と法侵害の阻止に向け、APEC内で調整を行っていくことも重要であると考えています。この点はデジタル経済の成長とともに、とりわけその重要性を増しています。専門家の試算によれば、サイバー犯罪による世界の損失は2021年までに6兆ドルにも上る可能性があるということです。

本日、各国首脳の皆さんの多くがAPECの活動における重要課題の一つとして言及されたのは、アジア太平洋地域のすべての国民の幸福のために、地域内に開放的で持続性のある共同体を形成することだ、という点です。ロシアもまた、これに賛成します。したがって当然ながら、APECの2040年までの長期目標に関する本サミットの宣言草案を支持します。

将来に向けて掲げた高い目標を達成するためには、基礎となる国連憲章の理念に基づき今後も協力を行っていくことが重要です。すなわち、国家の主権平等、内政不干渉、各国が固有のモデルにしたがって発展していく権利の尊重、です。またこうした協力の実施には、地域各国の経済のみならず、地域における様々な統合組織をも取り込んでいく必要があります。

今日、生活そのものが、幅広い課題を克服し国境を越えた大規模なプロジェクトを実現するため、潜在能力を結集することを求めています。まさにこうした目標に向け取り組もうとしているのが、安全保障、経済、人道分野での協力についてロシアが提案した『大ユーラシアパートナーシップ構想』です。

ロシアは、アジア太平洋経済協力フォーラムのパートナー国すべてと協同して活動していく心構えでいることを、改めてお伝えします。来年APEC議長国を務めるニュージーランドには、積極的な協力を惜しまず行っていくつもりです。ニュージーランドのパートナーの皆さんには、成功をお祈りいたします。

ご静聴ありがとうございました。