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E. プリマコフと日本

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10月29日、すぐれた国士、才能あるジャーナリストであり、また、ロシア外交や国際関係全般にとって、今に至るまで現実的に受け止められる価値ある知的財産を残した学者でもある、E.プリマコフ 氏の生誕90年を迎えます。その生涯は、わが国の歴史における一時代そのものをあらわしています。
 E.プリマコフ氏はキエフに生まれ、少年時代をチフリスで過ごしたのちモスクワへ移り、東洋学大学で国際関係を学びました。「プラブダ」新聞記者としてキャリアを積み、ソ連科学アカデミー東洋学研究所、ソ連科学アカデミー付属世界経済国際関係研究所と、大きな学術研究分析機関での所長職を歴任しました。1991年から1996年までは、対外情報庁長官でした。1996年から1998年まではロシア外務大臣、1998年から1999年まではロシア首相、そして2001年から2011年まではロシア商工会議所会長を務めました。
 プリマコフ氏は、内外の同僚の尊敬を常に集め、その専門能力や長期的なビジョンを持った仕事、国益に対する深い理解、その国益をどんな複雑な相手であれ、善意ある人間的関係を通じて確保する能力が評価されていました。
 プリマコフ氏は、外務大臣の地位にあっては、広範な視野を持つ実務経験豊富な国際派として、S.ラブロフ現外相による的確な表現を借りれば、ロシアを自立への道筋に立たせ、新生ロシアの「外交改革」を実現しました。それまでの重点が西側との関係におかれていたとすれば、1996年以降のわが国の外交は、複数のベクトルを持つものとなり、アジア太平洋地域の国々にも目を向けるようになったのでした。本質的にはこれは、東方への「転換」を為したものと言えます。

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 東洋学専門家としてのプリマコフ氏は、現在の世界における日本の役割を常に高く評価し、建設的で互恵的な二国間関係を発展させる道筋を模索することを重要視していました。科学アカデミー東洋学研究所の所長、その後の世界経済国際関係研究所所長時代から、日本安全保障問題研究所(「安保研」)との定期的対話に向け個人的な努力を重ねてきました。この対話は、複雑な相互関係の時代にありながら、両国の知識人層による重要な対話チャンネルとなり、1982年から1987年まで日本の首相を務めた中曽根康弘氏のような、与党自由民主党の影響力のある人物との接触をひらくものでもありました。プリマコフ氏は、同氏を優れた政治家と評価していました。

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 プリマコフ氏は1996年11月中旬に訪日し、これが #露日関係 を新しい段階に引き上げました。#池田行彦外相(当時)との会談でプリマコフ氏は、#南クリル周辺地域 での #交流活性化 を提案するなど、#平和条約 に新しい刺激を与えることの重要性を強調しました。この時、両国が相応の法的ベースを作ることを前提とする、これらロシアの諸島における共同経済活動の案を伝えたのです。その当時からプリマコフ氏は、こういった協力関係が経済のみならず政治的にも意味を持ち、国境制定の問題に関する双方が受け入れ可能な解決策を探す上で望ましい環境を作るだろうと考えていました。

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 このような努力が、両国間の理解不足やわだかまりを「溶解させる」のに大きく貢献しました。当時駐日ロシア大使だったA.パノフ氏は、「1997年の半ばから両国間関係が活性化し、#ロ日関係史 上これまでになかったような集中を見せ、成果を上げた」と回想しています。1997年の11月、第1回目の露日非公式首脳会談が行われ、「エリツィン・橋本 プラン」が決まりました。1998年4月、二度目となったB.エリツィン大統領(当時)と #橋本龍太郎首相(当時)の川奈での会談が行われました。この首脳レベルでの対話における突破口の背後には、外交官の積極的な活動がありましたが、何よりも両国外務大臣の功績によるものでした。1998年2月、小渕恵三外務大臣(当時)がモスクワを訪れ、E.プリマコフ外相(当時)と重要な会談を行ったのです。
 プリマコフ氏と仕事を共にした同僚たちは、その素晴らしい人間性、外交上の対話においても一度となく好ましい雰囲気を作り出したユーモア感覚を評価しています。