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露日首脳会談後の共同記者会見

露日首脳会談の終了後、プーチン大統領と安倍首相は共同記者会見を行った。

プーチン:尊敬する首相、親愛なるシンゾウ! 尊敬するご列席の皆様!

安倍首相との会談は、いつものことながら、実践的で建設的なものとなりました。私たちは、露日関係の現状や展望を具体的に協議し、また差し迫って重要な国際問題についての意見を交換しました。

ご存じのとおり、私たちは、昨日、ペテルブルグ国際経済フォーラムに参加し、また露日両国の実業界の代表との会合を行いました。本日、これからボリショイ劇場での「日本におけるロシア年」「ロシアにおける日本年」の開会式が行われます。

露日間の協力が着実に前進していることを大きな喜びと共にご紹介します。両国の間では、恒常的に政治対話が行われ、省庁間の相互関係が構築されており、議会間・地域間関係が発展しております。

私たちは経済においても良い結果を達成しています。昨年、二国間の貿易高は14%増加し、180億ドルを超えました。ロシア経済への日本の累積投資額も増加しています。ロシア直接投資基金(RDIF)と日本の国際協力銀行(JBIC)の間にも緊密な協力関係が構築されています。ロシア直接投資基金(RDIF)と日本の国際協力銀行(JBIC)が共同で創設した露日投資基金は、両国の企業が、有望とされる共同プロジェクトのための融資を受けることできるように実践的な支援を行っています。

日本側のパートナーは、ありとあらゆる産業と農業で活動をしています。安倍首相によって提案された8項目の経済協力プラン、また、ロシア側の優先的投資プロジェクトの枠内で、およそ100ものプロジェクトが、実現されています。

その中でも最も優先度の高い分野がエネルギー分野です。ロシアは日本に日本市場が消費する天然ガスの10%を供給しています。日本企業は、「ヤマルLNG」「サハリンー1」「サハリンー2」での生産と精製に参加しています。

学術・教育分野における協力に関して申し上げます。両国の学者たち100以上のプロジェクトを行っています。プラズマ物理学、原子力の平和利用、生態学、地震学、宇宙探査の分野における研究です。

人的交流も活発に発展しています。昨年、日本では「ロシアの季節」文化フェスティバル、第12回ロシア文化祭が開催され、本日、露日交流年が開会します。

平和条約締結に関する問題もこれまでの交渉の中で協議してきました。重要なのは、忍耐強く、ロシアと日本の戦略的な利益に合致し、両国の国民に受け入れてもらえるような解決の道を模索し続けることです。

このような文脈の中で、南クリル諸島における共同経済活動の合意の実施プロセスを検討しました。以前に承認された、海産物の養殖、温室栽培、観光ツアー、風力エネルギー、廃棄物処理の5つの分野での進捗状況に満足しています。

また、今年の下半期、日本のビジネスミッションの島への3度目の派遣を実施するいう案も支持されました。私たちは、今後も継続して、この問題の人道的な側面の解決にも取り組み、日本の皆様の島々への訪問も引き続き支援していきます。

様々な喫緊の国際問題を協議する中で、私たちが特に注意を払ったのは、朝鮮半島を巡る状況です。朝鮮半島における平和の雰囲気を保つことへの関心を確認しました。

私たちは、(北朝鮮問題の)プロセスへのすべての参加者は、新たな対立を生み出さず、状況を政治・外交の枠内におさめておけるよう、行動を自制しなくてはならないと考えます。

最後に、安倍首相に対し、開かれた、忌憚ない、そして非常に有益な交渉に対して感謝申し上げます。

ご静聴ありがとうございました。

安倍(通訳された通り):私は再びモスクワを訪問することができました。モスクワは眩しい新緑に包まれています。昨日、私は、プーチン大統領の故郷で、ペテルブルク国際経済フォーラムに参加した最初の日本の首相となりました。私にとって非常に大きな栄誉です。

「白夜」コンサートは、息を呑むほど素晴らしく私に深い印象を与えました。私は温かい歓迎に心より感謝いたします。

本年は、日露交流にとって特別の年です。本日、夜には、ボリショイ劇場で、私とウラジーミルが共に日露交流年を開会します。またロシアではもうすぐサッカーワールドカップが開催されますが、日本からも多くのファンが訪れることでしょう。これら全ては、両国の信頼と友情を深める者です。私は、このことを非常に喜んでおります。

ロシアには豊かな天然資源、1億4000万人以上の人口をもつ市場、優れた人材があります。日本にも、それらと調和させることのできる優れた面があります。私たちが撒いた日露協力の種は、今、次々と花開いています。私が医療、都市環境、エネルギーその他の分野からなる8項目の経済協力プランを提案してから2年が経ちました。

国民の皆様にとって有益な数々のプロジェクトは次第に具体化してきています。国民の生活の質を向上させることを目的としたプーチン大統領の政策は、8項目の経済協力プランの根底にある考え方と調和するものです。さあ、デジタル経済や労働生産性の向上においても、集中的に協力していきましょう。

1年半前、長門市で・・・、あの時は雪が降っていましたね、私とプーチン大統領は、お互いの目を見て対話をし、その後、平和条約締結の問題を解決するという私たちの真摯な決意について共同で声明しました。それが、新たな方向性での様々な作業をスタートさせるものとなったのです。

新たな方向性の一つが、北方4島での共同経済活動です。日本人もロシア人もこれらの島々で共同作業の成果を享受することができるのです。そうすれば、人々は、もし共に力を合わせて行けば、お互いに利益をもたらす大きな結果を得ることができるということを肌で感じるでしょう。まさにこのような状況においてこそ、私たちは、両国が共に受け入れることのできるような解決の道を見いだすことができるのです。

今日、私たちは、海産物養殖、温室野菜栽培、美しい自然を堪能する観光ツアー開発、風力発電の導入、ごみ減らし対策の5つ項目での共同経済活動の実現をスピードアップしていくことで再び合意しました。そのために、私たちは、島々に7月か8月にプロジェクトに参加する可能性のある企業の代表からなるビジネスミッションを派遣することについても合意しました。

共同経済活動を円滑に実施していくために、人々がより自由に行動できるような体制をつくっていきましょう。私たちは、この問題についての話し合いをより加速していきます。

長門では、私たちは重要な決定をしました。元島民の皆様の悲願を叶えるために努力をするということです。昨年、墓参のため、初めて航空便が開通したのです。

私は、この場をお借りして、改めてロシア側にこのことについて感謝申し上げたい。私たちは、本年7月も、飛行機での墓参を行う準備があることを確認し空いました。なるべく早いうちに墓参の日程を確定しましょう。

私たちは、困難な問題こそありますが、私たちの共同の計画を、両国の法的な立場を損なうことなく実現できるところから始めていかなくてはなりません。もし、最初の第一歩を踏み出すことができるのであれば、私たちの前には、必ず、その先の道が切り開かれていくのです。相互信頼という大原則に基づいていく、まさに、そのようなアプローチこそが私たちに豊かな実りをもたらしてくれることでしょう。

既に申し上げましたが、私の郷里である長門市で、私とプーチン大統領は平和条約の締結に向けて真摯に取り組んでいくということを確認しあいました。まさに、このような決意、私たちの共通の決意、意志の力こそが、日本とロシアの間の新しい相互関係の道を切り開いていくのです。ですから、今回、私たちは共に、新しいアプローチをもって、一貫して平和条約締結に向けて前進していくことを再度確認しあいました。

日本とロシアは、今後もさらに相互関係を深め、そして真の友人として信頼関係を醸成していく運命にあるのです。さらに安全保障の分野においてもイデオロギーを深めていきましょう。日露外務・防衛閣僚協議「2+2」の第三回会合は本年の下半期の開催が予定されています。

またテロ、麻薬取引、マネーロンダリング、つまり非伝統的な脅威との闘いにおいても、私たちは具体的な相互協力を拡大していきます。

新たな展開を見せている北朝鮮情勢に関して、私たちは、より内容の濃い協議を行いました。日本と北朝鮮の間の平壌宣言に合致する形で、核ミサイル問題、拉致問題に関する複合的な決定をし、不幸な過去を清算し、国交回復を目指していかなくてはなりません。日本の、このような段階的なアプローチをプーチン大統領がご理解して下さると確信しております。

重要なのは、北朝鮮が、国連安保理憲章で定められているように、完全な検証が可能で、かつ、不可逆的な非核化を実施することなのです。そして、北朝鮮が正しい道を歩んでいくためにも、日本とロシアは今後も密接な関係を結んでいきます。

昨年の11月、ベトナムでの会談の際に、プーチン大統領は、私に、今ならすべての私たちの計画を実現できると言われました。今日、再選された、深く尊敬するプーチン大統領に対して、私といたしましても同じ言葉を申し上げたく思います。

70年以上、締結されていない平和条約の問題の解決は、簡単ではありません。しかし、私たちは、私たちの世代によって、この問題に終止符を打ちたいのです。これは私たちの計画の最重要な課題です。

私とウラジーミルは、これまでに21回の会談を重ねてきました。私たちは、すでに完全な信頼関係を築いております。ウラジーミルも言っていたように、私たちは、今日も、思う存分、忌憚のない意見を交わすことができました。心からの敬意とともに私は9月のウラジオストクでの再会を待ち望んでおります。

ありがとうございました!