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2018年12月5日、読売新聞: 駐日ロシア大使M.ガルージンによるインタビュー

安倍首相とプーチン大統領の関係をどう見るか。

両首脳は信頼に基づいて建設的な対話を行っている。すでに24回会談し、今年だけでも4回会談を行っている。首脳同士の定期的な対話が現在の日露関係の原動力となっている。

交渉の基礎となる1956年の日ソ共同宣言には、平和条約締結後に歯舞群島と色丹島の2島を日本に引き渡すと明記されている。

日ソ共同宣言は両国の法律に基づく手続きでそれぞれ批准された。2国間関係の法的基盤をなしている文書だ。交渉の基礎にすることは当然ではないか。共同宣言には両国が戦争状態を停止し、平和と善隣友好関係を回復するということが書かれている。善隣友好の精神を基礎に、平和条約交渉を進めることは日露関係全体に好影響を与えていく。

しかし、「引き渡し」という表現は、どういう条件のもとで、どういう方法で、どういう形で引き渡すか何も明記されていない。「引き渡し」の解釈については議論が必要だ。

交渉の焦点は。

お互いの感情を尊重し合うことが大事だ。我々は4島に関する日本国民の感情を最大限尊重している。ビザなし交流、航空機による墓参、日本漁船の安全操業などを行っている。

一方でロシア国民にも感情がある。第2次世界大戦で2700万人の犠牲者を出して勝利を収めた。その流れの中で、南クリル諸島(北方領土)は連合国の合意に基づいてソ連に引き渡された。日本国民も我々の感情を尊重してほしい。

また、共同宣言に基づく交渉で達成されるであろう合意に対して、日米軍事同盟がどういう影響を与えていくかも突っ込んで議論しなければならない。

日本側は4島の帰属問題を解決してから平和条約を締結する立場だ。

共同宣言では歯舞と色丹という島名しか出ていない。なぜ2島を4島と解釈できるのか。

首相は自民党総裁任期として残る3年での解決に意欲を示している。

それは安倍首相の意向として尊重する。ただ、困難で敏感な問題を議論していかなければならない。短い期間で結果をもたらせばいいが、やってみないと分からない。無理に期限を設定して、物事を走らせることには
リスクがある。できなければ対外的にどう説明するのかという問題も出てくる。(聞き手 池田慶太)