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2018年2月4日のシリアのサラキブでの事件についての、シリアにおける化学物質使用調査団の調査報告に関するロシア外務省情報出版部のコメント

5月15日化学兵器禁止機関 (OPWC)技術事務局は、2018年2月4日の(イドリブ州の)サラキブでの事件に関するシリアにおける化学物質使用調査団による報告書を公開した。同報告書で提示されている情報は綿密な精査が必要ではあるが、しかし一見しただけで、その内容について多くの疑問が浮かび上がる。

残念ながら、シリアにおける化学物質使用調査団は、再び、あの悪名高いNGO「ホワイト・ヘルメッツ」が提供している資料を化学兵器使用の証拠としてとしている。私たちは、数度に渡り、この「似非人道団体」が偽情報を撒き散らし、事実を改ざんし、でっち上げられた挑発行為に参加していることを掴んでいる。

ごく最近、「ホワイトヘルメッツ」の一味は、ドーゥマ(東グータ)での化学兵器による攻撃があったとする演出に参加していた。彼らによる捏造情報がいかに大掛かりであるかということは、4月26日に化学兵器禁止機関(OPCW)本部でロシアとシリア・アラブ共和国が行った、4月7日にでっち上げられた「化学兵器事件」の真相解明のための共同ブリーフィングで示されている。ブリーフィングの資料は、化学兵器禁止機関執行委員会だい58回総会の公式文書として配布されている。ぜひ、皆様にもご一読頂きたい。

前述のシリアにおける化学物質使用調査団による報告書の中で、化学兵器が使用されたとされている場所からの環境サンプルの信ぴょう性は、ビデオ動画と証人への質問によって確かめることができるかのように記載されている。おそらく、シリアにおける化学物質使用調査団の専門家らが、自ら証拠の収集に参加する準備ができていない、またはそのような意欲がないことの言い訳のようである。報告書では、第三者、そしてNGOから入手したサンプルは、然るべき写真とビデオ資料を添付すれば、化学兵器禁止機関の専門家が自ら採取したサンプルと同等の価値を持つとされているのである。

この点は、シリアにおける化学物質使用調査団の作業における基本原則、つまりOPCW監査官が物的証拠を採取した瞬間から、その保存を確実にするための一連の行動手順を明確にした「chain of custody」という原則に根本的に矛盾するものである。シリアにおける化学物質使用調査団のガイドラインによれば、事実関係の調査を行う際に用いられるサンプルで、OPCWの専門家が直接に参加した上で採取されたものではないものに関しては、第一次的、第二次的な意味でも証拠として取り扱うことはできない。

報告書で示されているデータ検証方法の一つが「オープンソースの分析」であることは注目に値する。「ツイッター」、「FACEBOOK」、「Youtube」、BBCやCNN、「ワシントンタイムス」のニュース、そして米国務省のプレスリリースなども含む32のリンクが挙げられている。なぜ、シリアにおける化学物質使用調査団は、このような状態の中で、何故、ロシア外務省のサイトの資料などは使用しないのか?また、シリア側が、再三、過激派が化学兵器による挑発行為を準備しているということを伝えているのに加えて、シリア側が提示した戦闘員らの毒物生産のための秘密のラボを発見した証拠は無視しているのだろうか?

特筆すべきは、上記の参考文献を含む報告書の添付書類が「Al-Lataminahにおける事件に関連するインターネット・オープンソース・リスト」という名前になっていることである。そして、これは、サラキブに関する報告書の一部なのである!

この書類が大慌てで作成されたという点、シリアにおける化学物質使用調査団によるこれまでの報告書の雛形、特に2017年3月のAl-Lataminahでの事件についての報告書を利用して作成されたという点に何の疑いもない。

このように、サラキブにおける事件の独立した包括的な調査を行うことは、シリアにおける化学物質使用調査団による然るべき報告の目的ではなかったことが明らかである。この報告の目標は、ただ一つであった。それは、シリア政府当局に敵対する者たちが放った偽造情報に基づいて、シリア・アラブ共和国の正統な政権の信頼を失墜させることである。これは、化学兵器使用のさらなる可能性を広げ、シリアで活動するテロ組織の追い風となるだけである。

シリアにおける化学物質使用調査団の報告に対して高い評価をしているH. ノイアート米国務省長官による公式声明は、以上の点を踏まえて受け止めなければならない。ロシアは、当然のことながら、このような評価は断固として賛成しない。